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41で専門の先生に送ったメールに返信頂きました。
しかも、知財法の権威である中山信弘先生の門下生である、田村善之先生からです。まず、私の質問メール
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初めまして。突然のメール失礼致します。
私、○○と申します。(○○は私の本名やら仕事やら)現在SNSサービス(ソーシャルネットワークサービス)である「mixi」にて、
将棋ファンの間で「将棋の棋譜は著作物に該当するかどうか。」というテーマで議論がされています。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=42061148&comm_id=596
※もし、先生がmixiのアカウントをお持ちでしたら、ご確認ください。また、世間では以下のような議論がなされているようです。
http://tinyurl.com/c5fcm5専門家でないと結論が出せないだろう、あるいは、専門家の間でも意見が分かれているはずだ。
などの意見があり、田村先生のご意見を伺いたいと、メールさせていただきました。ご多忙の折、大変恐縮ですが、先生のお考えをお聞かせいただけないでしょうか。
【素人ながらの考えの代表的なものは以下の通りです】
■著作物に該当する
・将棋の対局そのものは、一手一手は単なる事実であるが、それ全体としては「対局者双方の思想又は感情を創作的に表現したもの」であってて、「文芸に属するもの」である。
■該当しない
・将棋盤上に表された指し手の記述に過ぎないため、「単なる事実の記述」に相当する。
———————————-田村先生からの回答です。
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mixiのアカウントは持っていませんので,見当違いのことを申し上げるかもしれません。また、恐縮ながら○○さんの著作権法に関する理解の度合いもよく分からないのですが、おそらく相当の水準のものと思いますので,それを前提に簡潔に書かせていただくことをお許しください。結論から申し上げますと,著作物に該当すると判断すべきではないと考えています。
それは,2条1項1号の要件の当てはめたうえで、そのような結論に到達したというのではなく、
そもそも勝利というゴールを目指して(主観的な)最善手を打つという狭義の性質上、(主観的に)最善手を打つという過程で同一の手が打たれることはゲームの性質上、予定されており、それを独占する筋合いではなく、それを記述する表現の選択肢が限られている以上、棋譜も創作的表現とはいえない
と思うからです。これを著作権法の要件論に当てはめるのであれば,対局における指し手の組み合わせ(将棋の素人で言葉遣いがよく分からないのですが)は、強いていえば、著作権法上、保護の対象とならないとされているアイディアに属すると評価すべきであり、
ゆえに、そのアイディアにいかに独創性があろうともそれは著作権法上の創作性とは関係なく(ここら辺りは著作権法をご理解されている場合にはスッとふに落ちていただけると思いますが,一般の考えからは乖離するところであり、ときとして著作権法を専攻している学者の方にも無自覚でこの論点に関する理解が足りないこともあります)、
ひとたびアイディアが決まれば、それを表現する選択肢が限られている以上,棋譜は創作的表現ではないので,著作物にならない
ということになります。
以上,取り急ぎ。
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